・前回は松岡基樹さん~BL. WALTZ(以下BL)がレコード・デビューするまでの道のりをおもいっきり駆け足ですが、なんとか書いてみました。私よりBLについて詳しい人は絶対にたくさんいますが、去年からずっとイベント「TURN TO THE POP」について調べていたり、何よりもBLが大好きだったので、書くなら今しかない!と判断しました。
ちなみにanother storyとしたのは、あくまでも私というフィルターを通してのBLだからなのです。
 上手く書けているとは思えませんが、BLについてこう考えていた人がいたんだ、しかも今でもしつこくBLを好きなんだ程度に感じていただければ嬉しいです。
それではもう少しお付き合いください。


 ・1990年2月21日にSwitchからオムニバス『ADVENTURES in “ Turn To The Pop”』がリリースされています。
このアルバムの発売記念ライヴは1月25日と26日にクラブ・クアトロで行われました(通し券はかなり安かったので、通し券購入組でした)。会場でもしかしたらCDの先行発売があるかも?と思っていましたが、現実はそう甘いものではなかったのでした。
結局、「POP IND'S」のNo.28と和久井光司さんの『虹かかる日』を購入してライヴを観ました。

 25日はシークレット・ゲストの和久井光司さんとその周辺の方々(宮崎裕二さんやさいとうみわこさん達)、KING BEESにthe Bennetsという顔ぶれでした。いつか機会がありましたら、次の日のNAV KATZEやmidoriにJAZZ BONESも含めて触れたいと思っています。

 BLは最後に登場。普段とは違って小西昭次郎さんのセットはツーバスでした。
1曲目は定番の「Something Happy」。ものすごい迫力に圧倒されたのか(違)、ベースの田口祐司さんの弦が切れてしまいました。
この日は「Parade」、オムニバス収録曲「Down To Me」(この日が初演だったはず~MCでそう言っていた記憶があります)にラストの「Weekend Paradise」とアップテンポの曲が多くて、ツーバス効果が出ているなと思った私です。
 
 2月にはようやくオムニバス『ADVENTURES in “ Turn To The Pop”』がリリースされ、「Down To Me」とアンプラグドでのキャット・スティーヴンスのカヴァー「Ruby Love」(原曲の再現度かなり高いです)に満足する日々が続きました。
勿論、他の参加アーティストの方々の作品も素晴らしかったのですよ。

 この時期、就職したこともありまして、ライヴ会場から徐々に遠ざかっていたのでした。
 それからBLのライヴを観たのは7月のegg manです。メジャーデビュー直前ということもあって、満員に近い状態だった記憶があります。
『モノクロームの冒険Ⅱ』から演奏された曲で印象に残っているのは、青が照明の中心だった「ノスタルジア」です。
アルバムがリリースされて聴いた時、あの曲だ!とはっきり思い出した記憶があります。

 そして、9月21日にはシングル「蒼い風の吹いた夜」でついにBLがメジャー・デビューしたわけです。
このシングルのプロモーション盤にはメンバーが書いた小説(多分、アルバムの歌詞カードに掲載されたもの)が付属した3曲入りだったそうですが、なかなか縁がないようで見かけたことがありません。

 当時、私が勤務していた会社にあったCD売場には入荷せず、休日に別のCDショップで購入しました。
その時の印象はかなり音がスッキリしたというのと、デビュー・シングルで『Garden Affair』未収録の「Parade」がカップリングなのか!というものでした。ライヴで聴き慣れた曲がCDで聴けるってことは嬉しいですよね。

 10月21日にアルバム『モノクロームの冒険Ⅱ』がリリースされ、今度は会社のCD売場で購入しています(社割が使えたので)。

このアルバムのプロモーション盤『エッ!!まだ聴いてないの?』(DSP-92/内容はモノクロームの冒険Ⅱと同一)にはライヴ・イベント「おはつ、に」のフライヤーにあったBL. WALTZの名前の由来と、「[音楽集団]現代の都会人を夢のPoppin' Islandへいざなう、不思議なアンサンブル」という注釈が付け加えられています。
それに(スティーリー・ダン~ドゥービー・ブラザーズの)ジェフリー・バクスターからのメッセージもありますね。
歌詞カードやクレジットは付属していませんが、それらが冒険の宝地図を模した(と思われる)紙に印刷されているのが、非常に彼ららしいと思ったものです(これを入手したのはリリースからかなり時間が経ってからでしたが)。

ちなみに、この『モノクロームの冒険』とは「イヴ・クラインという画家が出した著作のタイトルをそのままお借りした」そうで、「その本を読んでも、すごく僕たちのものの考えとか、僕たちのやっている音楽に近いなぁ」と思ってタイトルにしたそうです(この「」はPOP IND'S no.2のBL. WALTZインタビューから引用させていただきました)。

 このアルバムのエンジニアは『Garden Affair』『ADVENTURES in “ Turn To The Pop”』と同じく森本誠さん。
 
 プロデュースとベーシックなアレンジ、演奏はBL自身で、ストリングス・アレンジはBLと(Adiなどの)金子飛鳥さんです。

アディショナル・プレイヤーは金子飛鳥ストリングスと当時ヒカシューの野本一浩さんがフルート、バスクラリネット、ソプラノとテナーのサキソフォンで参加しています。
そして、コンピュータープログラマーとして高橋アキラさんが参加しました。

 アルバムを聴いてまずお気に入りになったのは「WILD blue」でした。ストリングスの導入でこんなに世界が広がるのか!とか、リズムの心地よさが抜群だと思ったのでした。
ちなみにこの曲に出てくる「壁」とはベルリンの壁を指していると知ったのは発売から10年以上経ったライヴのMCです。
他にもお馴染みの「Parade」や、ライヴで印象に残った「ノスタルジア」など名曲目白押しで、誰もいない職場や通勤時間にヘッドフォンステレオでしつこくリピートしていました。

 11月2日のアルバム発売記念ライヴ、会場はイベント「TURN TO THE POP」と同じく渋谷クラブ・クアトロでした。 
「WILD blue」から、レコード会社の非常からお借りをいただいたという「水兵リーベ僕の船」など『モノクロームの冒険Ⅱ』からの曲中心に披露されて、ゲストには当時ヒカシューの故野本一浩さんが出演されました。アルバムにも参加していた野本さんを松岡さんは「和製エリック・ドルフィー」と紹介したのが印象に残っています。
この日はどの曲を演奏したかよりも、その場にいるスタッフ全員を紹介したことがとにかく印象に残ってまして、実は私も義理と人情の人なんだな、と苦笑いしてしまいました。

 その感動から一ヶ月も経たないうちにBLのライヴを観ています。
イベント「TURN TO THE POP」の最終回、11月20日でした。この日の対バンはthe Bennets、鈴松カネ太郎商店(鈴木さえ子さん、松尾清憲さん、カーネーションから直枝政太郎さん、馬田祐次に鳥羽修さん+ゲストの青山陽一さん)、そしてフェビアン。
アンコールではセッションでThe Holliesの「Bus Stop」(BLからは松岡さんが参加しました)を演奏して大団円となりました。

 この日のBLはイベント最多出演バンドということもあってか、彼らの代表曲中心の演奏でしたが、お叱りを受けたという「水兵リーベ僕の船」を演奏したりと、TURN TO THE POPに合う選曲だったなとか考えた私です。あれから30年以上経ってしまいました。
BLに限らずあの頃観たライヴは不思議なくらいによく覚えています。
今よりずっと記憶力がよかった時期に観たというのと、ライヴ自体が「宝物と宝物の箱」だったからかもしれません。


 ・追記~かなり端折って書いたつもりですが、そこそこ長くなってしまったので、ミニ・アルバム『blossom』以降については次回にさせていただきます。多分、3回で終わるはずです。
デビュー前のデモ&ライヴ音源を聴く機会があったり、参加オムニバスや映画(?)のサウンドトラックを担当していることが判明して、両方入手できるように頑張りましたが、なかなか上手くいかない状態です。
皆さまからの情報、ご意見&ご感想お待ちしています。ご指摘を受けたら、すぐに修正します。
 BLについての情報を少しでも正確なものを共有できたら嬉しいです。情報や雑談の類でもなんでもありがたいので、ひとつよろしくお願いいたします。


  All written by Hiroshi Sugar Sugai 
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