・ほぼ一ヶ月ぶりの更新になってしまいまして、すみません。
実はものもらいができてしまって、視力がなかなか元に戻らなかったり、色々な原因が重なってしまって更新できなかったのです。
 で、今回は前回のタイツについての記事が割と好評だったのと、昨年からイベント“TURN TO THE POP”について調べていたこともありまして、イベントから生まれたオムニバス・アルバム『ADVENTURES in “Turn To The Pop”』について書いてみることにします。
それではもう少しお付き合いください。

 ・イベント“TURN TO THE POP”の第1回目は1988年9月15日、クラブ・クアトロでオリジナル・ラヴ、GRANDFATHERS、BL. WALTZ出演で行われています。
確かIND'Sの欄外に「ポストXTC」と紹介されていました。
この直前にはタイツ、GRANDFATHERS、BL. WALTZ出演の「おはつ、に」というイベントがインクスティック芝浦でありまして、GRANDFATHERSとBL. WALTZのパフォーマンスがよかったのと、はちみつぱいの和田博巳さんがプロデュースしたオリジナル・ラヴが出るなら行くしかない!と気合い入れて行ってますね。
 その後も大好きなバンド、カーネーションやナーヴ・カッツェにザ・シャムロックなどが出演したから、熱心に通いました。
ただ、就職した年と重なったりして、涙をのんで断念した回も少なくありません。特にタイツやメトロファルス出演回を見逃したのは一生の悔いです。
 なんとか最終回のBL. WALTZ、the Bennets、フェビアン、鈴松カネ太郎出演の回は観ています。

 前置きが長くなってしまいましたが、第1弾オムニバス「ADVENTURES in “Turn To The Pop”」に参加したアーティストをこの機会に紹介したいと思います。
 
 ・CLEVER RABBIT~フィルムスの赤城忠治さんと米田克哉さんの二人組。
缶入りのアルバム『CLEVER RABBIT』を1989年にリリースしたり、最近デラックス・エディションで再発された『ファンシイダンス』に参加していて、波に乗っていた時期の参加でした。
ちなみにこの少し前に活動していた時期のフィルムスにはドラムスにリアルフィッシュ~Shi-Shonenの友田真吾さんが参加していて、ベースは元タイツの平賀淳一さん(名曲「タイルの彼方」の作曲者)でした。
現在、アルバム『CLEVER RABBIT』やフィルムス『ミスプリント』、映画「星くず兄弟の伝説」のサウンドトラックが再発されているので、赤城忠治さんの作品の数々を聴くことが簡単になって嬉しいです。
ただ、同時期にやっていて、イベントTURN TO THE POPにも出演したVELETS FROM LUNA(赤城さんと米田さんが参加していたグラムロックバンド、ギターは元ピンナップスなどの江蔵浩一さんだったはず)の作品が形に残っていないのは非常に残念ですね。


 ・TIGHTS~タイツに関しては前回の記事を読んでもらえたらありがたいです。活動期間が長くて、メンバー・チェンジが激しいので、ここでは書ききれないのでした。すみません。
このオムニバス・アルバム収録曲の「日向の出来事」は現在、『ラジオ・デリカテッセン』のデラックス・エディションで聴くことが可能です(つまりあの時期のアウト・テイクだったということ)。
サイモン&ガーファンクルのカヴァー「愛しのセシリア」はタイツのベスト・アルバム『GIRLIC REPLICA』に収録されています。
この時期のメンバーは一色進さん、光永“GUN”巌さん、宮崎裕二さん、錦織幸也さんに元東京タワーズの中嶋勇二さんの5人編成でした。

 
 ・BL. WALTZ~実は「TURN TO THE POP」最多出演バンドでした。
SPINレーベルからのシングル「PARADE」、Switchからアルバム『Garden Affair』をリリース後に参加。当時のメンバーはギター&ヴォーカル松岡基樹(モトキ)さん、ベース田口祐司さん、キーボード七瀬ミチルさん、ドラムス小西昭次郎さん。
 その後、ポニーキャニオンでシングル2枚、アルバム2枚にミニ・アルバム1枚をリリースしました。
松岡基樹さんはソロでシングルとアルバムをコロムビアから発表してまして、アルバムにはミレニウム「There Is Nothing More To Say」の日本語カヴァーが収録されています。
ドラムスの小西さんが脱退してから、サポートとしてブルー・トニック~ザ・スリル~ザ・ロッカーズの田中元尚さんやオリジナル・ラヴ~タイツなどの秋山幸広さんが参加していたそうです(近年は小西昭次郎さんがサポートとして参加)。
ベースの田口さん脱退後にはサポートとしてワッツ・ラヴ~ソウルフラワーユニオンなどの阿部光一郎さんなどが参加していたり、ギターに八橋義幸さんがメンバーとして参加してました。
松岡さんは池田貴族さんやSwinging Popsicle、BONNIE PINKのプロデュースやギタリストとしてブリリアント・グリーンや黒木渚さんなどに参加したりと現在も活躍中です。


 ・NAV KATZE~1984年結成、1986年にはSwitchからムーンライダーズの岡田徹さんプロデュースのミニ・アルバム『NAV KATZE』でデビュー。
1987年にはシングル「夕なぎ」、アルバム『Oyzac』(こちらも岡田さんプロデュース作品。
このアルバム収録曲「金色のクリスマス」では、これまでのポリスに影響を受けたサウンドから、アコースティックな音造りに変化しています。
この当時のメンバーはギター&ヴォーカル飯村直子さん、ベース&ヴォーカル山口美和子さん、ドラムス古館詩乃さんの3人編成でした。
このオムニバス・アルバムに参加した後、ビクターからメジャーデビューしましたが、古館さん脱退で、飯村さんと山口さんの2人編成に。
その辺もあってか、テクノ&ニューウェイヴに接近したサウンドに変化していきます。
現在ではSwitch~ビクター時代の作品がサブスク解禁され、多くの未発表音源も聴くことができます。
このアルバム収録曲「金色のクリスマス」は『Oyzac+1』の+1として配信されました。

 ・MOMENTS~所謂東京サウンドの中心バンドだったスクリーンが発展した形で結成。このアルバムの直後にリリースされた『虹かかる日』(和久井光司 WITH モーメンツ名義)、そしてビクターのオムニバスに参加したり、再結成モノクローム・セットのツアーのフロント・アクトを担当したりしています。
このオムニバスに参加した当時のメンバーはスクリーンから引き続き参加のヴォーカル&ギター和久井光司さん、ギター宮崎裕二さん(タイツにも参加)、ドラムス河東勇治さんの3人と、キーボード貝原正さんにベース中田淳さんの5人編成です。
変則的な編成としてはドラムスに泉水敏郎さんやキーボードに細見魚さんが参加したこともありました(再結成モノクローム・セットのフロント・アクトなど)。
テイチクから1995年にリリースされた『虹かかる日』にはこのアルバムからの曲やイベントTURN TO THE POPに出演時の録音がボーナス・トラックとして収録されています。


 ・JAZZ BONES~1987年秋頃、ヴォーカル久野恒さんとギター佐々木育真さんを中心に結成。元々はブルース・バンドだったとか。
渋谷ラママや原宿クロコダイルなどでライヴを重ねましたが、1989年3月には一旦解散しています。
が、ロリポップ・ソニック(!)のメンバーがラブコールを送ったことに反応し、ロリポップ・ソニックのライヴに出演し、それをきっかけに活動を再開します。
当時対バンしたのはタイツ、フレデリック(現在活躍中のバンドではなく、ロンドンタイムスの片岡健一さんを中心にしたバンド)、フィッシュマンズ、フリップスなど。
このアルバムの参加メンバーはヴォーカル久野恒さん、ギター佐々木育真さん、ベース小池太郎さん、ドラムス秋山幸広さん、キーボード長尾知己さん、サキソフォン春野孝広さんの6人編成。
ドラムスの秋山さんはレッドカーテン~オリジナル・ラヴのメンバーでもあり、その後タイツやmidori、BL. WALTZ(サポートという形だったとのこと)に参加しています。川口義之さんと並んで、イベントTURN TO THE POPのキーマンだったのかもしれませんね。
佐々木さんと春野さんは後にサイレント・ポエッツに参加しています。
ベースの小池太郎さんは現在カリスマ整体師になったとか。。
JAZZ BONES単独でPOP IND'Sレーベルから作品をリリースする予定があって、(雑誌の)POP IND'Sにジャケットが明らかにされた広告が掲載されましたが、直前で発売中止になっています。
それ以降、バンドとしての目立った活動はない模様です。

 
 ・N.O.T. with webb ~メトロトロンからデビューした綿内克幸さんと小池雄司さんのwebbとアーバンダンスの成田忍さん、ジューシィ・フルーツ~ビブラストーンの沖山優司さん、リアルフィッシュのサポート・ドラマーだった寺谷誠一さんのN.O.T.の合体バンドです。
ちなみにこのオムニバス・アルバムの発売前の広告にはURBAN DANCE名義で告知されていました。
テイチク~ノン・スタンダードで作品をリリースしたURBAN DANCEを発展的解消して、成田さん、沖山さんに寺谷さんの3人でのバンド(プロジェクト)でURBAN DANCEを名乗る予定がIND'Sのインタビューで明らかにされた記憶があります。
このアルバムリリースの数年後にはwebbが綿内さんのソロ・プロジェクトになったりと、混沌とした時代の作品だったということでしょう。
ちなみに綿内克幸さんはwebb時代からサポートしていた青木孝明さん、ビクター時代にサポートしていた小里誠さんと阿部耕作さんに綿内組の川嶋フトシさんで『almost green』を昨年リリース、レコーディング・メンバーでツアーを行っています。
ソロ・デビューしたビクター時代の作品もサブスクで解禁されていますね。この機会に是非。
アーバンダンスの未発表音源が近年リリースされ、再結成ライヴが行われたり、その前に在籍していた4-Dの音源も再発されたりと成田忍さん関連作品も聴くことが以前に比べてかなり楽になっています。

 ・the Bennets~このアルバムリリース時のメンバーはヴォーカル&ギター倉富佳三さん、ベース堀井浩二さん、ドラムス久保田敏明さんにサキソフォンに現在、栗コーダーカルテットなどの川口義之さんという顔ぶれでした。
1989年にアルバム『PREFLIGHT』で彼らはデビューしています。このCDがPOP IND'Sレーベルの第1弾だったことをここで強調しておきます。
倉富さんの失神パフォーマンスやいかにもロックミュージシャンな堀井さんのルックス、久保田さんのスネアを破いてしまう位のパワー、ひっきりなしにサキソフォンやハープを持ち替える川口さんのパフォーマンスと、CDよりもライヴが印象に残っています。
当時、ネオGSやネオ・モッズなのかな?と思いましたが、もう少しサービス精神溢れるバンドだったと今になって思います。
伊藤銀次さんもお気に入りのバンドだったのですが、青山陽一さんのバンドにいた川口さんと再会した時(怪しい隣人シリーズでココナツ・バンクと対バンしたのでした)、the Bennetsのメンバーだった川口さんと同一人物とは気づかなかったはずです。
1991年頃のベネッツ・ショウではMr. Christmasの久慈ひろこ(クジヒロコ)さんをサポートに迎えたり、色々工夫したパフォーマンスを見せてくれました。


 ・KING BEES~結成は1984年。新宿ロフトでの初ライヴの対バンはナーヴ・カッツェで、彼女たちも初ライヴだったという話です。
この時期はロックンロール・バンドだったらしいのですが、1985年末には一旦解散し、1986年に渋谷屋根裏で復活してから、1987年にはキャプテン・レコードのオムニバス『ハート・オブ・サタデー・ナイト』に参加しています。
1990年、アルバム当時のメンバーはヴォーカル&ギター原宏明(広明)さん。原さんはTHE 3PEACEを経て、48グループや乃木坂46などに楽曲提供したり、音楽プロデューサーとして活動中です。ギター前澤勝彦さん。ベース中條卓さん、現在シアターブルックとCOUCHに参加しています。サキソフォン首藤晃司さん、桜井秀俊&パイオニア・コンボに参加したり真心ブラザーズのサポートをしていました。ドラムス鈴木俊之さん、ドラマーズやイモーンズに参加後、現在はTOSHI THE GROOVE(他のメンバーはベースえみコバーンさん、ギター宙GGPキハラさん)で活動中。
ちょっとバッドボーイズ風なルックスと、強力なリズム・セクション(POP IND'Sのライヴ・レポートで絶賛されていました)、それにどこかユーモラスな歌詞という印象があります。
POP IND'Sレーベルからのアルバム『HARI HARI』と若干のメンバーチェンジを経てから(ドラムスは現在COUCHの小島徹也さんに)アルバム『LOVE STUDIO』が1992年にリリースされています。

 ・Mr. Christmas~1987年、ヴォーカル&ギター松浦祥隆さん。ベース角田敦さん、後に遊佐未森さんのプロデュースを冨田恵一さん(!)とのOut to Lunchというチームで担当しました。ギター桜井芳樹さん、現在Lonesome Stringsなどで活動されてます。ドラムス横銭ユージさん、当時ビブラストーンでも活動していました。結成当時は松浦ユニットと名乗っています。
 この4人でセッションを始め、デモテープの製作に入っています。デモテープ製作に加わったのが、久慈ひろこさんと佐藤真理子さんでした。
キーボード久慈ひろこ(クジヒロコ)さん、スピッツのサポート・キーボーディストとして長らく活動されてます。キーボード佐藤真理子さん、久慈さんとIMAGE GARDENやTONTONというバンドで一緒に活動していました。
 更にthe Bennetsのメンバーでもあるサキソフォン川口義之さんが参加するようになり、バンド名も松浦ユニットからMr. Christmasへと変更します。
 12月にはアルバム『Mr. Christmasを探して』をリリースしました。結成からデモテープ製作、リリースまであまり時間がかかっていないのが、景気のよかった時代を反映しているように思います。
私が初めて彼らのライヴを観たのはエッグマンでのポータブル・ロック、Amazing Soul Brothersとの3マンでした。所謂XTC期(すみません)のライヴを体験したのは、この時が最初で最後となったのです。
 1989年9月のTURN TO THE POP SPECIAL出演時には、リーダー松浦さんがアフリカン・ポップスやサルサ、サンバにカリプソに影響されていたのがよくわかるスタイルになっていました。
パーカッションのサポート・メンバー2人が参加してほとんどが新曲のセットリストでした。
1991年に彼らはナツメグから7inchシングル「TEKU TEKU/セイナルダイチ」を発表し、バンドとしての活動が少なくなっていくのでした。


 ・midori~1987年11月にイキルのメンバーでもあるヴォーカル&キーボード新田真澄さんとギター&キーボード伊藤善之さんで結成されています。
ライヴにはストリングスなどのメンバーが加わって、このオムニバス・アルバムにはバイオリン下岡千香さん、チェロ坂本弘道さん(エコーユナイトのメンバーでもありました)、パーカッション秋山幸広(!)さんが参加しています。
収録曲「シャリラム」は当時ファミリーマートのCMに使われていたので、ご存知の方が多いはずです。
1990年12月にはファースト・アルバム『AURAI』がリリースされたのですが、元々POP IND'Sレーベルからリリースする予定だったのが、レーベルがSwitchに吸収(?)されたため、Switchからのリリースとなりました。このアルバムにはファミリーマートのCM曲「シャリラム」と「min' dance」が収録されています。
この後、伊藤(真澄)さんのソロ・シングルを挟んで、1992年にmidoriのセカンド・アルバム『VORTEX SYMPHONY 』がリリースされました。このアルバム発表時のメンバーは伊藤真澄さん、伊藤ヨシユキさん、秋山幸広さんに坂本弘道さんでした。


 ・追記~アルバムには青山陽一さんのソロが入る予定があったと伝えられています。
個人的にはイベントのスペシャル・ユニット、Amazing Soul Brothers(田島貴男さん from オリジナル・ラヴ&青山陽一さん from GRANDFATHERS)やB826(直枝政太郎さん from カーネーション&青山陽一さん from GRANDFATHERS)、鈴松カネ太郎(鈴木さえ子さん、松尾清憲さん、鳥羽修さん、馬田祐次さん、直枝政太郎さん~この3人はfrom カーネーション&数曲ゲスト参加の青山陽一さん)などの音源も聴きたかったのですが、契約上難しかったのと予算の関係もあるのでしょうね。

このシリーズ第2弾の『Magic Merodies』にはメジャー・デビュー前のMr.Childrenが参加していたこともあって、プレミアがついています(現在でも高価取引されている模様)。
他には元ピチカート・ファイヴの鴨宮諒さんのマンナ、ポリスを彷彿させるSIGNなどが参加しています。

しかし、現在も活動しているミュージシャンが多いのは『ADVENTURES in “ Turn To The Pop”』ということを強調して、ひとまず終わります。

 ・参考資料~POP IND'S No.23~29(スイッチ・コーポレーション)
特にPOP ARTISTS FILE to 90'S POP SCENE(案外無記名が多い)をかなり参考にしています。感謝します。
Mr. ChristmasとJAZZ BONESのパートは参考というかほとんど引用になってしまいました。本当にすみません。

Special Thanks to 鈴木俊之&秋山幸広

  All written by Hiroshi Sugar Sugai 
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