・誕生な説明~今回は2015年のGO→ST祭(1月18日吉祥寺マンダラ2)で配布したvol.15、後に加筆修正したものをフリーペーパー“JOYTIMES”に掲載し、今回更に加筆修正しました。
今回のお題はesqこと三谷泰弘さんについてですが、スターダスト・レビューで三谷さんがレコード・デビューしたのが1981年でして、更にその前の人種熱時代からの話も書いてますから、40年以上の間に渡っての内容です。
それなりに頑張ってますが、スターダスト・レビューやソロになってからの活動を詳細には知らないので、駆け足になってしまうと思います。
前置きが既に長くなってしまっていますから、そろそろ始めます。皆さま、もう少しお付き合いください。
ジャック達のアルバムのクレジットを見ると、ほとんどのアルバムでThanks toの部分にesqとあるのにお気づきの方がいるはずです。
esqについて全く知らないという方や名前だけ聞いたことがあるという方もいらっしゃると思います。そういう方々のために、今回はesqについて書いてみます。
まずesqって?ということから説明しますね。
esqとは元スターダスト・レビューのキーボーディストで、20年以上山下達郎さんのツアーでコーラスを担当している三谷泰弘さんのソロ・プロジェクトの名前です。
三谷さんについてスターダスト・レビューに加入する前に参加していたバンドやその周辺のバンドについても今回書いてみようと考えています。
三谷さんが参加したバンドに人種熱があります。このバンド、メンバーに近田春夫&ビフラトーンズ~パール兄弟の窪田晴男さんや同じく近田春夫&ビフラトーンズ~PINK~ソロの福岡ユタカさんが在籍していたことと、近田春夫さんが加わって人種熱→近田春夫&ビフラトーンズと発展したことで知られていますね。
実は人種熱がクレジットされているレコードが2枚ありまして、三谷さんが参加しているかは割と微妙な時期ですが、この機会に紹介してみます。
まず1枚はオフ・シアターで上映されたアニメ映画「悪魔と姫ぎみ」のサウンド・トラックです。コロムビア・レコードからリリースされたアルバムでアミューズ(音楽事務所)のアーティスト(ジューシィ・フルーツなど)が参加している中に人種熱の名前があります。残念なことに未CD化です(なので私も未聴です)。
もう1枚は女性シンガーソングライターのとみたゆう子さんのファースト・アルバム『COLOURS』のクレジットのコーラスのパートに人種熱の名前があります。クラウン・レコードからのリリースでして、ディレクターは名ディレクターの中根康旨さん(サエキけんぞうさんのイベント、コアトークに中根さんが出演した時話題に上がったので、中根さんがステージを降りた際に直接確認しました)。
中根さんによると「窪田君がまだ若い頃、一緒に仕事をしたんだよ」とのことでした。こちらはCD化は何度もされて、現在も入手可能だと思います。
(ご教示いただいたHPによりますと、『悪魔と姫ぎみ』には三谷さんが参加していて、『COLOURS』には参加していない模様です)
1980年に三谷さんが加入したのがアレレのレというバンドです。アレレのレのヴォーカル&ギターの根本要さんが同時期に参加していたバンドがジプシーです。ジプシーには先ほど名前が出た福岡ユタカさんが在籍していました。
つまりアレレのレ、人種熱、ジプシーが活動していくうちにメンバーが整理されていった結果、スターダスト・レビュー、ビブラトーンズへと発展したと想像しています。
1981年にはスターダスト・レビューがワーナーパイオニアから「シュガーはお年頃」でデビューし、三谷さんは1980年代の後半から徐々に作曲やコーラス、ヴォーカルで頭角を現すようになっていきます。
ちなみに三谷さんのペンによる「Thank You」や「と・つ・ぜ・んFallin' Love」などは脱退後もスターダスト・レビューにとって重要なレパートリーとなっています。
1985年には奥田圭子さんの「Bay Sideロマンス」で作曲を担当。作詞は2021年にソロ・アルバムを発表したあさくらせいらさん。
この曲、シングルのカップリング曲ですが、A面は作詞が秋元康さん、作曲がブレイク前のBOØWY氷室京介さん、編曲もBOØWY布袋寅泰さんの「プラスティック」なのでした。ということでBOØWYファン必聴の一曲として、色々と取り上げられることが多い曲になりました。
両方アルバム『cresc.』に収録され、CD化されましたが、(オリジナルのアポロン盤、再発のヴィヴィッド盤両方とも)どうやら入手困難な模様です。
そして、1987年にリリースされた矢野顕子さんのアルバム『GRANOLA』収録曲「わたしたち」では窪田さんがギターを弾いて、三谷さんがコーラスで参加するという形が実現しています。この曲の多重コーラスが三谷さんと知って、三谷さんの名前をはっきり認識した私です。
「わたしたち」は『オンエア』という矢野さんのCMに使われた曲を集めた編集盤がありまして、山下達郎さんや鈴木慶一さん、佐野元春さんが参加している曲も収録してますので、かなりおすすめです。もちろん『GLANORA』も素晴らしいアルバムですが。
1988年には窪田さんが参加しているパール兄弟のセカンド・アルバム『パールトロン』収録曲「TRON岬」にコーラスで参加(コーラス・アレンジも担当)しています。
このレコーディングに参加するまでの経緯、三谷さんと窪田さんの出会いや色々なエピソードがシンプジャーナルに掲載され、後に「シンプジャーナルベストセレクション '80s」(自由国民社)に再録されましたので、熱心なファンの方にはおすすめです。
この時期から窪田さんはパール兄弟での活動以外にもスタジオ・ワークが段々増えていって、意外なところだとTMネットワークの「Self Control」や「GET WILD」のギターは窪田さんだと近年判明しましたね。
1994年の12月のツアーでスターダスト・レビューから三谷さんが脱退します。ちなみに窪田さんがパール兄弟から勘当された(兄弟なので脱退という表現は使わないという理由でそう発表されました)のは1990年の出来事です。
そう、三谷さんがソロ・アーティストとして活動するにあたって名乗ったのがesqというわけなのです。
ちなみにesqとはEssentially Superior Quality(本質的に上等のクォリティ)の略であり、接尾語としてのesque、キーボードのescキーなどの合わせ技とのことらしいです(Wikipediaより)。
三谷さんがesqとしてレコーディングやライヴに参加するメンバーはほぼ固定されてまして、ギターに元雷蔵の飯塚昌明さん、ベースにBARA(榊原雄一)さん、ドラムにこれまた元雷蔵の夏秋文尚さん、パーカッションに山口ともさんの参加率が高いです。
三谷さん、飯塚さんに夏秋さんが親しくなったのは自宅スタジオを立ち上げた時期が近くて、色々と相談しあっているうちにだったそうです(esq HPより)。
ちなみに雷蔵とは世界旅行から帰国したあがた森魚さんがムーンライダーズの武川雅寛さん、じゃがたら~ビブラストーンのOTOさん、飯塚昌明さんたちとそれまでライヴを共にしていた丸尾めぐみさんや夏秋冬春さんたちと結成したバンドです。
アルバム『雷蔵参上』を1991年にリリースし、ライヴ活動も90年代初頭まで続けます。 が、メンバーそれぞれが多忙なこともあってか、その活動はフェイドアウトしていきました。
話を三谷さんについて戻すと、スターダスト・レビュー脱退後、1995年7月にはシングル「週末の天使」でソロ・デビューしています。
8月にはファースト・ソロ・アルバム『自由の人』をリリースし、アルバム(『Episode vol.1』やベスト・アルバム『Gems ~'95 to '98~』を含む)5枚をポリスター・レコードから発表しています。
2000年には自らのレーベル、esq parkを立ち上げていますね。
レコード会社(の契約や制約)から解き放たれたことで作品のリリースのペースなど、より自由な作品作りができるようになったと解釈しています。
個人的にはesqのソロ・アルバムの中で印象的なのはEpisodeシリーズです。
Vol.1のみ当時作品をリリースしていたポリスター・レコードからで、Vol.2とVol.3は自らのレーベルesq parkからのリリースとなっています。
影響を受けた楽曲やスターダスト・レビュー時代を含むセルフカヴァーで構成されているアルバムで、基本的には三谷さんのヴォーカルとピアノに多重録音によるコーラス、最小限の楽器のダビングによる作品集です。
山下達郎さん「LOVE SPACE」やTHE BEACH BOYS「SURF'S UP」に南佳孝さん「プールサイド」、オフ・コース「地球は狭くなりました」などが個人的にはお気に入りです。もちろん他の収録曲も素晴らしいのですが。Episodeシリーズについてはいつかまとめてみたいと考えております。
1998年アルバム『COZY』から三谷さんは山下達郎さんのツアーにコーラスで参加するようになります。
レコーディングに初めて参加したのは同年リリースのシングル「いつか晴れた日に」のセッションからだったという記憶があります。
ちなみに山下達郎さんのツアーに男性コーラスで参加したのは村田和人さんとSING LIKE TALKINGの佐藤竹善さんの三人だけだったことをここで強調しておきますね。
そして、山下達郎さんのツアーで一緒に活動していた方々とNelson Super Projectを結成。2枚のアルバムをリリースしています。
Nelson Super Projectのメンバーは当時の山下達郎さんのツアーに参加していた面々で、ドラムスが青山純さん、ベースが伊藤弘規さん、ギターが佐橋佳幸さん、サックスが土岐英史さん、キーボードが難波弘之さんと重実徹さん、ヴォイスが佐々木久美さんと国分友里恵さんに三谷さんという顔ぶれでした。
近年の山下達郎さん&竹内まりやさんのバンドメンバーの半分は交代してしまいましたが、三谷さんは伊藤弘規さん、難波弘之さんに佐橋佳幸さんともに引き続き参加しています(達郎さんにとってこの4人に関してはなかなか替えがきかないということなのでしょう)。
三谷さんは現在も精力的に活動中で、2019年には久しぶりのソロ・アルバム『Visionary』を発表し、今年もライヴを開催しています。
・追記~割とあっさり書こうと思ってましたが、結構長くなってしまいました。
そして、どうしても今日中にアップしたかったのは、今日(12月13日)が三谷さんの誕生日だったからです。
三谷さんおめでとうございます。
とにかく今日アップできて嬉しいです。
人種熱に関する部分はストレンジ・デイズにおける杉山達さんの原稿を特に参考にしております。
フリーペーパー「JOYTIMES」をデザインしてくださったザジ式さん、ありがとうございます。
TECHIE、ストレンジ・デイズ、月刊OUT、ロックジェットなど数多くの雑誌を参考にさせていただきました。ありがとうございます。
最新の更新は2021年12月26日です。
All written by Hiroshi Sugar Sugai
Twitter @sugasugarheaven
Instagram @gost2sinn
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